筆者の趣味はハンドメイドアクセサリとか自作キーボードとかレジンクラフトとかです。
そんなわけで、細かいパーツを山のように持っております。
今までは、それらを市販のケースに入れて収納していましたが、ちょうどよくはない感じでした。
こういう100均産の細かいケースは全体が小さいので複数のケースを持っていると整理が面倒だし、一覧性がいまいちです。
ではこんな感じに、小さいケースをA4サイズのキャリーケースに入れるのはどうかといえば、一覧性はいいですが、キャリーケースの中で小さいケースが遊ぶので、がちゃがちゃうるさいです。 それに、固定しておけないのがいまいち。
A4サイズのキャリーケース自体は、立ててまとめておけるので重宝しています。 できたら、このキャリーケースにちょうど入る仕切りがあればいいな……でも、後付けで動かせるタイプの仕切りだと、結局細かいパーツが仕切りの下で混ざっちゃうんだよな……。
ということで、A4サイズのキャリーケースにちょうどよいパーツケースをつくることにしました。
モデリング
Fusion360も使ったことがありますが、最近はBlenderに慣れてしまったので、Fusion360の使い方を忘れたので、Blenderでおこないます。
最初につくったのがこんな感じの個別のケースです。(外寸49x52x30mm)
A4サイズキャリーケースの内寸を整数で分割し、キャリーケースにちょうどはまるようにしました。
でもひとつひとつ個別につくると、位置を動かしたいときは便利ですが、ケースの中で遊びやすいし、小さくて蹴飛ばす率が高くなりそうなので、モデリングと試作の段階で方向転換。
こういうふうにしました。
三つ分の升目がつながっているカタチです。(外寸215x49.5x36mm)
最初のモデルよりも高さを大きくしました。 そうしないと、キャリーケースを立てかけたときに、個別のパーツケースの中に入れたパーツがぶっ飛ぶことに気づいたからです。
これを試作してみるとよさそうだったので、これで行くことにしました。
製造
まずはFDM式の3Dプリンタでつくります。 機種はEnder3 S1です。
Ultimake Curaでスライスして、製造開始。 プレートはガラスプレートで、表面にはスティック糊を塗り塗りしてあります。
以前Ender3を使った際は、うまくプレートに定着せず、四苦八苦した記憶がありましたが、今回は難なく定着しました。 ベッドをしっかりと加熱保温していたこと、季節的に部屋を加温していたことが理由かもしれません。
そして、できたのがこちらです。
モデル通りに製造できました。
さらに、これをこうだ!
サイズはぴったりです。
後はこれを大量生産すれば……と思ったのですが、実はこれをひとつつくるのに7時間近くかかっています。
始業前に動かしたら、終業頃にできあがる――寝る前に動かしたら、起きる頃にできあがる――そんな所要時間です。 長すぎます。
このパーツケースを十個以上つくりたいと思っているため、製造時間が長いのは困りものです。
まあ、A4の短辺くらいの長さがある、大きめのモデルなのでしようがないかなという感じもします。
Ender3 S1も一世代二世代前の機種のため、スピードもそんなに出ないし……。
DMM.makeやJLCPCBなどの外部の製造サービスもあたってみましたが、最低でもひとつ2,3千円かかるため、却下でした。
そんなわけで、今はFDM式ではなく、光造形式の3Dプリンタでの製造を考えています。
FDMが『点』で製造するのに対して、光造形は『面』で製造するため、所要時間が短くなるのではないかと思ったわけです。
実際、スライサーソフトでスライスしてみると、筆者が所持しているHALOT MAGE Proでは、ひとつ3時間弱くらいでできあがると出ました。
よし、これだ!
と、思ったわけですが、我が家のHALOTは今、フィルムに傷が出来ていて、いつレジンが漏れ出すともわからない状態です。 そのため、先ほどSK本舗にFEPフィルムを注文しました。
A4サイズの3枚セットで1万円くらい。
痛い出費ですが、外部サービスに出すよりはマシかなという感じ。
フィルムが届いたら、さっそくこのモデルを製造してみたいと思います。
まとめ
というわけで、3Dプリンタでパーツケースをつくる話でした。
家に3Dプリンタがあると、こういうモデルの試作と製造が簡単にできていいですね。
皆さんも、是非ご家庭に3Dプリンタをご準備して、お試しください。
細かなものがうまいこと片付くかもしれません。